大町の皆様へ

2021/09/18

 昨年一月末以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は計り知れず、世界中で未だその猛威を振るっており、今までの日常というものが取り戻せずにおります。社会では、密閉・密集・密接という「三密」を避けることを第一に様々な行事の中止・延期・縮小を余儀なくされ、依然予断を許さない状況が続いております。

 当神社の例大祭もその影響を受け、昨年・今年と二度に亘り神幸祭(お渡り)の中止、各種神賑・催物も中止に至りました。まことに残念な形となりましたが、大神様に祈りを捧げる式典は厳粛に齋行できましたことは有難くご協力に感謝すると共に現況をご理解くださいました事に御礼を申し上げます。

 例大祭当日は、参列人数を制限させて戴き「マスクの着用」「アルコール消毒」の上、午前九時三十分式典を齋行。参進の距離を縮め、例年ですと通りに出て一の鳥居より境内に参入するところ二の鳥居脇より境内に参入。各関係代表者七名が昇殿参列し、他は社殿前にて参列の形を取らせて戴きました。例年の献幣使の参向、伶人巫子の助勢も控えて戴き、宮司以下助祭員二名にて奉仕し、密を避け、飛沫を避け、時間短縮のもと執り行いました。式典後境内にて一番神輿にのみ神霊奉遷を行い、午後一時(例年出御祭の時間)に神輿を社殿に安置し飾りつけを致しました。初日より三日間例年通り一番神輿を拝殿に安置し、三日目に当る月曜日の午後八時に社殿より神輿を境内に降ろし環幸祭の式のみ行い御神霊を御本殿へお遷ししました。みこし会の助勢のもと神輿は宝物殿へ無事安置され、三日間の例大祭は幕を閉じました。

 古来より人々は、その時代時代に流行る疫病や自然災害などの「厄災」に対し神様に祈りを捧げ、退散を願い御加護を求めその御神威により安寧を得てきました。当神社の御由緒も、この地に悪疫が流行し住民が難儀しているのを救うため源新羅三郎義光公が京都の「祇園社」を勧請し篤く祈願されたところ悪疫退散し住民は安堵し難を救われたことが御創建の始まりとされています。鎌倉の「厄除けさん」といわれる由縁です。この故事を記念し感謝を忘れず、更に平和と繁栄を祈願する祭礼が例大祭の主旨です。例大祭における伝統神事行事を通して町の団結・結束が涵養されてまいりました。二度に亘り住民参加のなされなかった例大祭を経験し、人々の心に「希薄」という影響がもたらされないか、また子供の成長は早いのでお囃子の子供たちの継承に問題は生じないか気掛りになるところです。

 神社では今後共、月首祭・月次祭の小祭を始め年間の各祭典の中で新型コロナウイルス感染症の早期鎮静を願い、また郷土の発展を氏子の繁栄と平和を祈り続けてまいります。また、令和の御大典の記念事業の案も「コロナ禍」により計画中断となっております。一日も早く従来に戻り活動できる日を待ち望んでいます。

 今後共、神社の諸祭事諸活動にご理解とご協力をそして更なるご支援を賜りますよう深くお願い申し上げます。

令和三年七月吉日
八雲神社 宮司

小坂 周防

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